第185章

小林絵里の呼吸がわずかに深くなった。ちょうどいい、これで探りを入れることができる。

「ええ、喜んで」

電話口の高橋雲が尋ねてくる。「今どちらにいるの? 迎えに行くわよ」

小林絵里が現在地を伝えると、十五分ほどで一台の車がゆっくりと近づいてきた。窓がスッと下り、そこから高橋雲の美しく手入れされた顔が覗く。

「坂田夫人」

小林絵里は上品に微笑んで会釈した。

「さあ、乗ってちょうだい」

促されるまま、小林絵里はドアを開けて後部座席に乗り込んだ。

高橋雲は単刀直入に尋ねてきた。「なんだか顔色が優れないわね? あまり眠れていないんじゃない?」

「坂田和也の中毒事件がずっと重くのし...

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