第187章

小林絵里は余計な考えを振り払い、一一〇番に通報しようとした。だが次の瞬間、彼女のスマートフォンは何者かに奪い取られてしまった!

「気づいたか」

運転手の底冷えするような声が響く。

小林絵里は目の前の景色がぼやけていくのを感じ、無意識にドアを開けようとしたが、すでにロックがかけられていた。

「あなた……誰なの?」

小林絵里は途切れる息の中で問いかけ、自分の太ももを強くつねって、どうにか意識を保とうとした。

だが、運転手は陰湿な視線を彼女に向けた。「俺を忘れるとはいい御身分だな。ふふっ、お前のせいで、俺はずっとムショ暮らしだったんだよ!」

小林絵里の脳裏に閃光が走った。斉藤健也...

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