第188章

以前の小林絵里の冷たい態度を思い返すだけで、胸の奥がひどく塞ぎ込み、やり場のない不快感が募っていく。

 苛立ち紛れに襟元を乱暴に引っ張り、胸に渦巻く鬱憤を少しでも逃がそうとしてみたものの、まったくの逆効果だった。

 病院を出ると、空はどんよりと重く沈み込んでいた。

 すでに運転手がエントランスに車を回して待機している。

 後部座席に乗り込んだ坂田和也は、何かに憑かれたように再び小林絵里の番号へ発信したが、やはり今回も電源は切られたままだった。

 舌打ちをしてスマートフォンを投げ捨てたくなるほどの苛立ちを覚えつつ、今度は松本幸雄に電話をかけた。

「小林絵里の現在地を調べろ」

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