第193章

坂田邸では眠れないだろうと思っていたのに、枕に頭を乗せた途端、泥のように深く眠り込んでしまった。

再び目を覚ました時には、すでに翌日の朝になっていた。

身支度を整えて部屋を出た小林絵里は、ちょうど寝室から出てきた坂田和也と鉢合わせた。空中で視線がぶつかるが、絵里が先に目を逸らし、階段を降りていく。

坂田和也は暗い瞳で彼女を見つめ、立ち去ろうとする後ろ姿に向かって、ゆっくりとした口調で言った。

「飯を食いに来い」

絵里はピタリと足を止め、答えた。

「結構です。仕事に遅れますから」

和也は言う。

「今はお前に任せる仕事など何もないだろう。そんなに急いで出社してどうする?」

それ...

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