第201章

松本桜は一瞬きょとんとして、体をこわばらせたまま、しばらくしてから言った。

「……じゃあ、ちゃんと立って。わたし、しっかり支えられないから」

そう言うと、彼女は手を伸ばし、彼のズボンをつかんだ。

松本桜が乾いた声で言う。

「……上げたよ。外まで支えるから……」

くるりと背を向け、古川修一の腕を自分の肩に回させる。そのまま、ゆっくりと廊下へ歩き出した。

古川修一は今回は何も言わない。ただ、薄い唇をきゅっと結んでいた。

松本桜は古川修一を支えてベッドに座らせると、尋ねた。

「ほかに用はありますか?」

古川修一の声は少しかすれて重い。

「ない。出ていけ」

松本桜は即座に踵を返...

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