第216章

小林絵里はくすりと笑って言った。

「あなたもずいぶん変わったね。声をかけてくれなかったら、きっと分からなかったよ」

二人は孤児院で一緒に育った。幼い頃はそれなりに仲もよかったが、ある出来事をきっかけに、いつしか距離ができた。

小林絵里はその後、大学へ進学して孤児院を出ると、彼らとも自然に連絡が途絶えた。

斉藤子玄が尋ねる。

「戻ってきて、俺たちに会いに来たの?」

「うん、そう」

小林絵里は小さくうなずく。

本当は少し時間を置いてから戻るつもりだった。けれど、どうやらそれは叶いそうにない。

斉藤子玄の目がぱっと輝いた。

「それはよかった! 絵里が帰ったら、園長ママ、絶対喜ぶ...

ログインして続きを読む