第220章

立田芳子はずっと小林絵里をこき下ろし続けているくせに、その口で、絵里が奢った料理を遠慮なく頬張っていた。

小林絵里は、言葉を失った。

やがて立田芳子は腹いっぱい食べ終えると、げふ、と品のないげっぷをして立ち上がる。

「ちょっとお手洗い」

小林絵里も箸を置いた。好きにさせておくわけにはいかない。いったい何が目的なのか、はっきりさせるつもりだった。

ところが——。

三十分経っても立田芳子は戻ってこない。絵里は眉をひそめ、スマホを取り出して彼女に電話をかけた。

出ない。

小林絵里の顔から、さっと熱が引いた。

「バン!」

その瞬間、個室の引き戸が乱暴に開け放たれ、脂ぎった若い男が...

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