第230章

力強い腕が彼女の身体を持ち上げ、壁と熱い胸板のあいだにきっちりと閉じ込める。

「放して……」

坂田和也は彼女の両手首を無造作につかみ、そのまま背中側へねじ上げた。支えが一切なくなった小林絵里は、落ちないように必死で彼の腰にしがみつくしかない。

「絵里。嫌じゃないんだろ?」

耳元にかかる息。低く、掠れた声。

その一言で、小林絵里の最後の防波堤が崩れた。

どれほど時間が過ぎたのか――。

やがてすべてが静まる。

坂田和也は彼女を抱き上げ、浴室へ連れていった。簡単に洗い流してからベッドへ戻し、今度は逃がさないと言うように腕の中へ引き寄せる。

小林絵里は指一本、動かせない。

「坂田...

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