第234章

二人でせっせと手を動かし、ほどなくして香ばしい炭火焼きの匂いがふわりと漂いはじめた。

小林絵里はスマホを取り出して写真を撮り、松本桜に送る。

松本桜【どういう状況? その手、男の手じゃない? 絵里、ついに吹っ切れて男漁り始めたの?】

小林絵里はあわててスマホをしまい込んだ。斉藤子玄に見られたら、どれだけ気まずいことか。

斉藤子玄はすでに何本か焼き上げていて、串を一本つまみ上げ、彼女へ差し出す。

「食べてみろ」

小林絵りは手に串を持っていて受け取れず、そのまま口を開けて一口かじった。

「うん、いいね」

斉藤子玄の目がぱっと輝き、耳の先まで赤く染まる。隣に立ったまま、どこか落ち着...

ログインして続きを読む