第235章

「す、すみません……」

 小林絵里は頬を赤く染め、斉藤子玄を見上げた。澄んだ水のような瞳に、申し訳なさが滲む。

 うっかり飲みすぎた。

 もともとお酒は強くない。

 こういうカクテルなら、半分くらいなら平気だ。でも1本を越えると、途端に酔いが回る。

 斉藤子玄の耳まで赤くなっていく。彼は絵里の体を支えながら言った。

「酔ってるだろ。テントの中で休むか?」

 そう言って、そのまま肩を貸してテントへ向かおうとする。

 けれど絵里は首を振った。

「だめ。星、見るの」

 立ち上がったのは、それだけ綺麗な星が目に入ったからだ。

 夜の帳が大地をすっぽり包み込み、その中で星々が瞬い...

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