第247章

「おまえが抵抗すればするほど、俺は気に入らない」

 小林絵里のもがく動きが、ぴたりと止まった。

 斉藤子玄はまだ病院にいる。――ここは、耐えるしかない。

 水を含んだ瞳に悔しさを揺らしながらも、どうすることもできない。その様子を眺め、坂田和也は薄い唇の端をかすかに持ち上げた。愉快でたまらない、とでも言いたげに。

「食事会に行くんじゃないんですか」

 坂田和也は短く返事をして、踵を返すとそのまま外へ向かった。

 小林絵里は濁った息をふっと吐き、彼の背に続く。外へ出ると、すでに松本幸雄が車の脇で待っており、恭しくドアを開けた。

「坂田社長、小林嬢」

 坂田和也の暗く深い視線が、ふ...

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