第260章

坂田和也は彼女の手つきを見つめ、ふっと眉を上げた。次の瞬間、白い頬にじわじわと紅が差していくのが目に入る。

深い瞳に淡い光が走る。動かない。ただ余裕たっぷりに、彼女を眺めていた。

小林絵里はシャツを彼に着せ、続けてスラックスを履かせる。だがベルトを通すとき、うっかり――触れてはいけないところに触れてしまった。

坂田和也が彼女の手首を掴む。低い声で問い詰めた。

「小林絵里……わざとやってるのか?」

小林絵里の顔は真っ赤だった。けれど必死に平静を装い、言い返す。

「そっちの自制心が足りないだけでしょう。わたしのせいにしないで」

坂田和也はじっと、深く彼女を見据えた。しばらくしてから...

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