第338章

小林絵里は冷えきった目で彼を一瞥した。

「あなたが殴らなければ、わたしだってわざわざご飯なんて届けなくてよかったのに」

坂田和也が、ぎり、と奥歯を噛みしめる。

――この女、俺を責めてるのか?

彼は沈んだ眼で小林絵りを睨みつけた。

小林絵里はその視線をなかったことにして、黙々と箸を動かす。

坂田和也は煙草の火を揉み消し、ゴミ箱へ放り込むと、すぐさま卓へ歩み寄った。そして遠慮の欠片もなく椀と箸を取り、食べはじめる。

小林絵里は眉をひそめる。

「食べていいなんて言ってません」

「お前は俺の女房だろ。お前の飯を他の男が食えるのに、俺は食えねぇのか」

「ええ。あなたは食べられません...

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