第347章

小林絵里はふっと表情を止め、彼を支えて病床に座らせると、その手を離した。

「今夜の夕飯、気に入るか見てみて」

絵里はそれ以上、その話題を続けなかった。

続ける必要もない。

高川寒彦の人を惑わせる瞳がかすかに揺れ、すぐにうなずく。

「……ああ」

絵里はベッド用のテーブルを整え、弁当箱を開けて中身を並べていく。

幸い、今日は誰かが突然現れることもなかった。

高川寒彦は久しぶりに、静かな夕食を口にできた。

絵里は隣に腰掛けて彼の様子を見守り、ときどきスマホを触る程度だ。

不意に寒彦が言った。

「絵里、明日は来なくていい」

「え?」

絵里は眉を上げて彼を見る。

「どうして...

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