第353章

彼のどこか他人事みたいな軽い口調を聞いていると、小林絵里の胸の奥が、理由もなくぎゅっと詰まった。

(……今のわたし、確かにお願いする立場なんだよね)

相手は坂田家の和也様だ。佐川海斗がどこにいるか調べるくらい、造作もないはず。

小林絵里は声を落として言った。

「お願いがあって……人を捜してほしいんです」

坂田和也の声が、さらに冷えた。

「男か、女か」

「……男です」

「話にならない」

ぶつり。

それだけ言って、坂田和也は電話を切った。

「…………」

頭が痛い。

拒絶があまりにもあっさりしていて、最後まで話す隙すら与えない。

(だめ。直接会わないと)

外へ出ながら...

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