第356章

小林絵里はうなずいた。

庄司一火がスマホを取り出してどこかに電話をかける。少ししてから、彼女に視線を向けた。

「連れて行く」

小林絵里はかすかに笑う。

「うん」

【ジェト】バー。

車を降りた小林絵里は庄司一火を見上げた。

「坂田和也、ここにいるの?」

「ええ」

小林絵りの瞳に芯が宿る。そのまま店内へ足を踏み入れた。

バーは広く、三階建てだった。

一階はホール。ステージとボックス席が並び、いちばん騒がしい。

二階と三階は人目を避けられる造りで、金のある連中が居座る場所だ。

小林絵里はまっすぐカウンターへ行き、訊ねる。

「坂田和也は何階?」

奥にいたスタッフがきょと...

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