第359章

だが次の瞬間、彼女の言葉が落ち切るより早く、坂田和也がいきなり彼女の喉元を掴んだ。座席へ強引に押しつけ、陰の沈んだ目で射抜く。

「俺を、何て呼んだ?」

小林絵里はびくりと肩を跳ねた。まさか、突然怒り出すなんて。

「ど……どうしたんですか?」

今までも、ずっとそう呼んできたのに。

坂田和也の顔色は露骨に悪い。冷え切った声が落ちる。

「今後、二度とそう呼ぶな」

小林絵りの背筋がひゅっと冷え、身体が小さく震えた。

坂田和也は手を離すとボタンを押した。遮蔽板が上がり切ったところで、吐き捨てるように言う。

「停めろ」

運転手が慌てて車を寄せて停車する。

坂田和也は小林絵里を一度も...

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