第366章

小林絵里は喉の渇きを覚え、起き上がって水を飲みに行った。ドアを開けると、リビングの灯りはまだ消えていない。坂田和也の大きな影がソファに横たわっていて、腕を目元に乗せ、顔の半分を隠していた。

小林絵里は足を止める。――帰ってなかったの?

三人掛けのストレートソファに、あの体格で寝転ぶのは無理がある。少しでも身じろぎすれば、ずるりと床へ落ちてしまいそうだった。

小林絵里はコップに水を注ぎ、飲みながら彼を見つめる。

物音に気づいたのか、坂田和也が腕を下ろした。半眼のまま、こちらを見てくる。

小林絵里はコップを置き、ふいに問いかけた。

「坂田和也。あなた、ずっと私たちの昔のことを避けてき...

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