第368章

坂田和也はいきなり彼女の脚をつかむと、ついでみたいにひと撫でしてきた。息が、また重くなる。

小林絵里の身体がびくりと強張る。けれどすぐに力が抜けた。彼はそれ以上、何もしなかったからだ。

そして絵里は、実際もう限界なくらい眠かった。

今さら追い返すなんて無理。彼だって簡単に帰るタイプじゃないし、ここで騒げば近所に笑いものにされるだけ。

……もういい。

とりあえず、寝よう。

……

それから数日間、佐川のおっさんは小林絵里に連絡してこなかった。

坂田和也も忙しくなったらしく、佐川海斗のことを聞こうとしても、話を切り出した瞬間に電話を切られる。

これ以上その件に触れられたくない――...

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