第374章

坂田和也の声は氷みたいに冷えきっていた。

「彼女が俺を愛してないって? じゃあ誰を愛してる?」

古川修一「……」

自信満々だな――。

これ以上、親友の自尊心をへし折るわけにもいかない。下手をすれば、こっちに飛び火する。

だから古川は、言葉を選んで返した。

「お前の言うとおりだ。彼女が愛したのはお前だけだ。でもな、気をつけろ。彼女が『愛さなくなる』こともある。愛するかどうかを決めるのは彼女であって、お前じゃない」

坂田和也の顔色が露骨に悪くなる。回りくどい話は聞きたくない、とでも言うように、彼はぶつりと通話を切った。

……ふん。

小林絵里が、俺を愛してない?

ありえるわけが...

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