第378章

小林絵里は、ほっと息をついた。

在宅勤務で助かった。

でなければ、出社2日目にして遅刻だなんて――さすがにひどすぎる。

いや。

ひどいのはわたしじゃない。坂田和也、あのクソ野郎だ。

昨夜のあの勢い、何年も女に触れてなかったみたいじゃない。

でも、そんなはず……?

だって一昨夜は、女優と一夜を過ごしたって――。

そこまで考えた瞬間、胃の奥から気持ち悪さがこみ上げた。小林絵里はベッドを飛び降り、ふらふらとバスルームへ駆け込み、吐き出した。

坂田和也が入ってきたとき、目に入ったのは、よろめく彼女の背中だった。

「……っ」

えずく音が響く。彼の表情が沈み、すぐに近寄って背中をさ...

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