第381章

「止めろ」

 坂田和也は松本桜を氷みたいに見下ろし、傍らのボディガードへ短く命じた。

 ふたりがすぐさま前に出て、乱暴に桜の腕を押さえつけ、スマホをもぎ取る。

 松本桜は反射的に暴れた。「何すんの!? 坂田和也、このクソ野郎、何する気よ! 放して!」

 ボディガードはスマホを恭しく坂田和也へ差し出す。

 坂田は受け取るなり、桜が撮った動画と写真を淡々と削除した。

 それから、興味を失ったみたいにスマホをボディガードへ放る。

 小林絵里が桜のそばへ歩み寄り、ボディガードを睨んだ。「放して」

 相手は絵里の身分を知っている。だが命令は坂田からだ。ふたりは一瞬迷い、坂田へ視線を送っ...

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