第391章

「小林絵里。俺の手下が松本桜を連れ去った。どこへ連れていったかは俺も知らない。今、探させてる」

 そう説明した。だが、松本桜を攫ったのが自分の人間であることは事実だった。

 手下の中に裏切り者がいる。

 なぜ松本桜を攫ったのか、誰の命令だったのか――まだ調べなければならない。

 それでも今は、彼女にきちんと話しておく必要があった。

「その話、今はじめて聞いた」坂田和也が低い声で言った。

 小林絵里のまつげが小さく震え、指先がきゅっと丸まる。彼女はかすれた声で問うた。

「あなたの人が松本桜を攫ったのに、どうして知らないんですか?」

 小林絵りは、彼が嘘をついていると思った。

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