第392章

松本桜のもがく力は、次第に弱まっていった。

胸の奥に、絶望がじわりと浮かぶ。

次の瞬間、腕がきゅっと締まり、身体ごと引き寄せられた。落ちた先は、わずかにひんやりした気配のある胸の中。

「しばらくこのまま縛っとけ。どうせ解いたところで、口からろくなこと出ねえだろ」

頭上から、男の気怠い声が降ってくる。

古川修一は松本桜を抱えたまま別の車へ移し、シートに座らせると、手首の縄をゆっくり解きながら坂田和也に電話をかけた。

「和也、見つけた。ああ、あの連中も確保した。こっちでお前んとこに回す。ちゃんと吐かせろ」

「わかった」

受話器越しの坂田和也の声は、冷たく乾いていた。

松本桜は朦...

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