第398章

坂田和也の灼けるような息が彼女の肩に落ち、柔らかな肌を少しずつ吸い、啄む。耳たぶはとりわけ敏感で、その執拗な攻めに耐えきれず、絵里の身体が小さく震えた。

「坂田和也、わたし……嫌……」

小林絵里の声は掠れていた。

身体は正直でも、心は拒んでいる。

彼女にとって、心と心が重なり合うときにこそ、こういうことは一番美しいはずだった。

けれど自分と坂田和也の間には、どうしても越えられない溝がある。触れ合えば、針を立てたハリネズミに触れるみたいに――痛くて、痛くて。

熱い息。深い目が、逃がさないように彼女を見据える。

「小林絵里。見せつけるだけで、俺には食わせる気がないのか?」

絵里は...

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