第413章

小林絵里は坂田和也へ視線を向けた。

ところが彼は冷えきった表情のまま、坂田正義の言葉など耳に入っていないかのようだった。

坂田家のひとり息子が、坂田家の中でこんな扱いを受けるなんて――。

やがて救急処置室のランプがすっと消え、医師が中から出てきた。高橋雲が駆け寄り、声をかける。

「すみません、中の患者さんは……?」

医師は落ち着いた口調で答えた。

「搬送が早かった。刃物は取り出しましたし、内臓には達していません」

高橋雲はほっと息をつき、坂田正義を振り返る。

「ほら、心配いりません。夕子は大丈夫です」

坂田正義は小さくうなずくと、すぐに坂田和也を一瞥して言った。

「おい、...

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