第421章

小林絵里は一瞬きょとんとして、困惑したまま須藤星皓を見つめた。

言い返そうにも、口の中にはぶどうが入っている。まずは噛み砕いて飲み込まないと、言葉にならない。

――そのとき。

すらりと背の高い影が個室へ入ってきた。

小林絵りは目を細め、相手を見定める。坂田和也だ。

反射的に背筋を伸ばし、慌ててぶどうを噛んで飲み下す。どうしてここに――。

いや、古川修一がいるのなら、坂田和也が辿り着くのも不思議じゃない。

坂田和也は周囲の空気ごと冷やすような気配をまとい、細長い目を重たく小林絵里の顔へ落としたまま、ソファにどさりと腰を下ろした。

「甘いか?」

小林絵里は一瞬固まる。酒が回って...

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