第441章

彼女が考えていたのは、どうすれば一日でも早くこの結婚に終止符を打てるか、それだけだった。

坂田和也がこちらへ歩み寄り、手を差し出す。

小林絵里は黒のドレスに身を包んでいた。気品と優雅さをまとい、整った顔立ちは丹念に引き立てられている。潤んだ瞳がふっと揺れ、淡い清純さがその奥に流れていた。

片手で折れそうなくびれ。腰からヒップへと続く曲線は、作りものめかさず自然で滑らかだ。

絵里はその手に、自分の手をそっと重ねた。

和也はぎゅっと握り込み、瞳の奥で感情を荒立てたまま、低い声で言う。

「絵里、綺麗だ」

絵里は小さく笑う。

「ありがとうございます。今さら気づいたんですか?」

「…...

ログインして続きを読む