第477章

街灯が灯りはじめ、その光が坂田和也の顔の半分だけを照らした。車内の薄闇に深い眉と目元が沈み込み、いま彼がどんな表情をしているのか、はっきりとは読み取れない。

彼は淡々と問う。

「じゃあ、今夜は泊まるところあるのか?」

小林絵里は軽く返事をした。

「桜のところに行ってもいいし、ホテルでもいいし。Y市って広いでしょう? わたし、お金もあるのに、泊まる場所がないわけないじゃない」

「……ふっ」

どの言葉が刺さったのか、坂田和也は喉の奥で短く笑い、すぐに言った。

「楓の苑はもうお前の名義だ。今夜から帰ればいい」

小林絵里は目を見張る。

「動きが早すぎない?」

坂田和也は涼しい顔で...

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