第478章

小林絵里はその言葉に少し驚き、すぐに言った。

「結構です、寒彦さん。もう食事は済ませましたから」

高川寒彦が返す。

「じゃあ夜食でもいい。絵里……本当に、おまえのことが嬉しいんだ」

「みんなの都合が合うときに、また一緒にご飯にしましょう」

要するに、高川寒彦と二人きりで食事に行くつもりはない、ということだ。

高川寒彦はしばらく黙った。

少し間を置いてから、ぽつりと言う。

「絵里。人の好意を、そんなにきっぱり断るな。何事も……自分のために逃げ道は残しておけ」

胸の奥がきゅっと酸っぱくなる。どう形容していいか分からない感覚に、絵里は小さく笑った。

「寒彦さん、分かっています」...

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