第498章

古川修一は目を細め、松本桜の自分に対する態度が明らかにおかしいことを鋭く察した。

手を放すどころか、そのまま松本桜を見据えて問う。

「なんだ、その態度」

松本桜は眉ひとつ動かさずに返す。

「私たち、そんなに親しかったっけ」

「……ふん」

古川修一は、怒りが込み上げたあまり乾いた笑いが漏れた。

親しくない?

一緒にくぐってきた修羅場がどれだけあると思ってる。

――それに、同じベッドにだって上がったくせに。いまさら、親しくないだと?

腕を掴む指に力がこもる。だが、彼女の冷えきった横顔を見た瞬間、古川修一は鼻で嗤い、何も言わずに手を離した。

親しくないと言うなら――それでいい...

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