第501章

坂田和也は手を伸ばし、彼女の口元に貼られたガムテープをべりっと剥がした。

「んっ!」

小林絵里が痛みに声を漏らし、ひゅっと息を吸う。すぐに言った。

「坂田和也……考えたわ。あなたが言ってたこと、受け入れる」

坂田和也は意外そうに眉を上げる。

「急にどうした。考えがまとまったのか?」

小林絵里は唇をきゅっと結び、何か言いかけた、そのとき――遠くから怒鳴り声が飛んできた。

「おい!」

「そこで突っ立ってしゃべってんじゃねえよ!」

「潮、上がってきてんだぞ、おい!」

「……」

小林絵里の表情が一瞬、固まる。

「……先にここを離れましょう」

坂田和也はもう大股で歩き出してい...

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