第504章

「このクソ……! また電話切りやがって!」

松本桜は通話が切れたスマホを睨みつけた。すぐにかけ直したい。でも、坂田和也が「小林絵里は疲れてる」と言っていたのを思い出し、ぐっと堪える。

絵里が休めたら、絶対に言いつけてやる。

坂田和也が、どれだけ自分をコケにしたか――ちゃんと知ってもらうんだから。

その横で。

古川修一は、怒りを隠せない松本桜の様子を見て、遠慮なくくくっと笑った。

松本桜はその声に気づいて振り返り、ちらりと一瞥しただけで何も言わない。踵を返して、そのまま歩き去った。

ちょうどタクシーが一台、目の前を流してきた。ドアを開けて乗り込み、運転手に行き先を告げると、窓の外...

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