第505章

松本桜「なんでよ?」

小林絵里が言った。「坂田和也と……よりを戻したの」

「はあ?」

松本桜の声が、いきなり跳ね上がった。向こうで立ち上がったのか、ガタガタと落ち着かない物音まで混じってくる。

「絵里、冗談でしょ? こんな真っ昼間に……その冗談、全然笑えないんだけど」松本桜は完全に混乱していた。

あれほど坂田和也を罵って、離婚をけしかけてきたのは彼女だ。その松本桜に、小林絵里は「仲直りした」と告げた。

仲直りしたくせに、まるで自分だけが道化みたいじゃないか――そんな怒りが、声の端々に滲む。

松本桜は切羽詰まった調子で畳みかけた。「絵里、今まで受けた傷、忘れたの? あの人にどれだ...

ログインして続きを読む