第506章

  坂田和也の冷えきった視線が、彼女の身体に突き刺さる。まるでスマホ越しに、その先の高川寒彦まで見透かそうとするみたいに。

  圧の混じった目つきに、小林絵里は居心地の悪さを覚え、むっとして一瞥を返した。

  電話くらい、取っちゃだめなの?

  坂田和也「……」

  箸を握る指がきゅっと強まる。まるでそのまま、絵里の喉元を掴むかのように。

  電話口から高川寒彦の声がした。

  高川寒彦「絵里、桜はどうした? さっき連絡したんだが、様子が……かなりおかしかった」

  小林絵里は息を呑み、それから言った。

  小林絵里「わたしが怒らせちゃったんです。ちゃんとなだめますから」

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