第507章

美人の甘えに抗える男が、いったいどれだけいる?

少なくとも――小林絵里は無理だった。

庄司玉輝の「美貌攻撃」を真正面から食らい、小林絵里はあっさり白旗を上げる。

「わかった、行く。でも今ほんとに忙しいの。あなたは社長で食いっぱぐれないかもしれないけど、わたしは社員だから稼がないとご飯食べられないのよ!」

庄司玉輝は唇の端を吊り上げた。

「了解。じゃ、忙しいなら邪魔しない」

「うんうん!」

庄司玉輝は踵を返し、部屋へ戻る。扉を閉める直前、もう一度だけ小林絵里に視線を投げた。顔色は悪くない。目にも力がある。それを確認して、胸の奥の力がふっと抜ける。

よし。

また一つ、手柄。

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