第510章

寝室へ戻った。

小林絵里はドアを閉めると、ふっと息をつく。坂田和也は――最近ますます様子がおかしい。

けれど、その変化を気にするつもりもなかった。彼のことなどどうでもいい。今の彼女にとって一番大切なのは、この先の段取りを組むことだ。

シャワーを浴び、ベッドに潜り込んでスマホを眺めながら、これからやるべきことをメモに書き出していく。

しばらくして、明かりを消し、そのまま眠りについた。

――ただ、深夜。

寝室のドアがきい、と開いた。暗闇の中、高い背丈の影がすっと入ってくる。

小林絵里は眉をひそめた。

「……どうして来たの?」

「ここは俺の寝室だ。ここに来なくて、どこへ行けって言...

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