第512章

夏目夕子は手柄を急いでいた。あの土地を落としてからというもの、頭の中はその計画一色。資金も惜しみなく突っ込み、ここさえ形になり、地下鉄が開通さえすれば――この案件は尽きることのない利益を彼女にもたらすはずだった。

そうなれば夏目家での立場も、より盤石になる。

夏目思乃は小林絵里の段取りを聞くうちに、瞳をきらきらさせた。

「さすがは坂田奥様」

小林絵里は淡く笑う。

「わたしに喧嘩を売るって言うなら……倍にして返すしかないでしょう」

「そんなに気持ちよく引き受けてくれるなら、期待を裏切らせませんよ。ここのいくつかは、わたしがやります」

思乃は書類の該当箇所を指で示す。

小林絵里は...

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