第518章

須藤星皓が彼女の腕を引き止め、坂田和也へ警戒の視線を向ける。表情を強張らせ、きっぱりと言い放った。

「坂田さん。俺と小林絵里は、何もない。彼女に手を出すな」

庇うように前へ出たものの、顔色はひどく青白い。時折ごほっと咳き込み、腹を押さえた。さっき坂田和也に蹴られた箇所だ。

小林絵里はその様子に胸が締めつけられ、心配が募る。このままここにいさせてはいけない。彼女は踵を返して洗面所へ向かい、半乾きの服を持って戻ってきた。

「須藤、これ着て。早く出て」

小林絵里は須藤星皓と坂田和也の間に立ち、坂田に背を向けたまま、須藤へ必死に目配せする。早く、早く行って――と。

ここに居続けたら、誰も...

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