第521章

夏目夕子が気づいたときには、買い集めた品はすべて不良品。いざ責任を取らせようとしても、相手はとっくに雲隠れ――そんな目に遭うってわけ。

夏目思乃が夏目夕子に接触させた連中は、みんなペーパーカンパニー。いちばん得意なのは、こういう詐欺まがいの手口だった。

小林絵里の瞳が、ふっと明るくなる。

「……いくら突っ込んだの?」

夏目思乃は堪えきれない笑いを滲ませた声で言った。

「会社の流動資金、ぜんぶよ」

小林絵里は思わず息を呑む。夏目夕子が、そこまで大きく張るとは。

全額を突っ込み、そして今、その全額が水の泡。

夏目思乃が続ける。

「今回の件は、あの子にはかなり効くわ。結果は出せな...

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