第539章

庄司一火の目が、ぱっと輝いた。彼はそのコンテナへ駆け寄り、腹の底から叫ぶ。

「夏目嬢! 夏目嬢、いるんですか!」

「ドンドン!」

コンテナの内側から、また音が返ってきた。返事だ。

庄司一火は胸が躍り、すぐさま錠前を確かめる。このあたりは放置されたコンテナばかりで、付いている南京錠も大したものじゃない。手頃な石を拾い、十数回叩きつけると、錠前はあっけなく潰れた。

扉をこじ開けた瞬間、庄司一火の喉がひゅっと鳴る。

中には夏目夕子が、手足を縛られたまま横たわっていた。海水がもう侵入してきていて、彼女の耳のあたりまで浸かっている。

夏目夕子は庄司一火の姿を見つけると、ううっ、と声になら...

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