第540章

庄司一火はどこか落ち着かない様子で言った。

「夏目嬢、泣かないでください。誰もあなたを死なせたりしませんから……だから、泣かないで……」

夏目夕子は涙で滲む視界のまま彼を見上げる。

「でも、あなたが助けに来てくれたじゃない。もし来てくれなかったら? わたし、本当に死んでたんだよ!」

「……あー……それは……」

夏目夕子は彼の腕にしがみつき、指先に力を込めた。

「お願い、助けて? わたし、本当に死にたくない……」

庄司一火はしばらく黙り込んでから、ようやく口を開く。

「夏目嬢……あなたは、何がしたいんですか」

夏目夕子の瞳の奥に、淡い得意げな光がすっと走る。すぐにそれを隠すよ...

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