第543章

 坂田和也は冷えた視線を松本幸雄へ向けた。

「彼女、どうした?」

 松本幸雄はきょとんとした顔のまま、慌てて首を振る。

「ぼ、僕も……わからないです」

 以前、病院で小林絵里に会ったときは、こんなふうじゃなかった。けれど今の小林絵里は、他人行儀どころか、情け容赦のない冷たさを纏っている。

 この間に、何があった?

 坂田和也が低い声で言い放つ。

「調べろ」

「はい」松本幸雄は小さくうなずいた。

 坂田和也は外へは出ず、そのまま地下1階へ降りると、ふと思い出したように告げた。

「庄司一火を呼べ——俺のところへ」

「はい」

 DKグループ。

 坂田和也が社長室へ入った直...

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