第567章

誕生日パーティーは九号公館で開かれた。

  庄司玉輝と小林絵里が中に入ると、広い個室にはすでにかなりの人数が集まっていた。ひと目でわかる。Y市の名家の子息子女ばかりだ。もちろん、この面々は庄司玉輝のことなど知らない。

  小林絵里に気づいた者もいたが、わざわざ声をかけてくる者はいなかった。

  小林絵里の身の上も、坂田和也と離婚したことも、彼らは把握している。彼らの目には、いまの小林絵里など――取るに足りない存在だ。

  庄司玉輝は小林絵里の手を引き、部屋の隅へ移動すると、きらきらした目で連中を眺めて言った。

「絵里、知ってる? あいつら、わたしの目にはピカピカの福沢諭吉に見えるの...

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