第569章

もし坂田和也が小林絵里とヨリを戻したら、夏目夕子の立場なんて、どこに残るというのだろう。

そうなれば――夏目家での彼女の地位も、かろうじて守られる。

……

坂田和也は小林絵りの隣にどかりと腰を下ろし、低い声で訊いた。

「何を見てる」

小林絵里は淡々と返す。

「チッ。あんたに関係ある?」

坂田和也が鼻で笑う。

「そうか。……そうだ、海辺に家がある。今度時間ができたら見に来い。気に入ったなら、しばらくあっちで暮らすのもいい」

小林絵里は取り合わない。誰がこいつと海辺なんか――。

はあ、あり得ない。

坂田和也はなおも追う。

「まだ答えてない。さっきから古川修一を見て、何がそ...

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