第571章

「へえ?」

 小林絵里は薄く笑い、小嶋未沙を一瞥してから坂田和也へ視線を移した。

「わたしには、あなたに口を出す資格がないって?」

「ある。もちろん、あるに決まってる」

 坂田和也はにこやかにそう言い、小嶋未沙には余計な目もくれない。

「和也兄……」

 小嶋未沙が縋るように呼ぶと、坂田和也は手をひらりと振った。

「遊んでこい。俺が嫁といる邪魔をするな」

 その一言で、小嶋未沙の怒りはさらに膨れ上がった。胸の奥でどろりと煮える恨みが、小林絵里へ一直線に向く。

(なによ、あのクズ……。和也兄にしつこく絡んで。あいつが何様のつもり? 和也兄の隣に立つ資格なんてあるわけない)

(...

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