第572章

小嶋未沙は終始、高川寒彦の動きを目で追っていた。彼がそのまま小林絵里のそばへ歩み寄り、楽しげに笑い合いながら会話を始めた瞬間、小嶋未沙の表情がさっと曇る。

「美妍、寒彦さんって、いつからあの女とあんなに親しくなったの?」

小嶋未沙が隣の高川美妍に視線を向けて問う。

高川美妍も小林絵里をちらりと見て、小さく首を振った。

「知らない。あの人、誰?」

高川美妍はずっと海外にいた。だから、小林絵里が何者かなんて知るはずもない。

小嶋未沙は憎々しげに小林絵里をにらみつける。

「男をたぶらかすことしか能のない、泥棒猫よ」

それを聞いた高川美妍の眉がきゅっと寄った。

「それが本当なら……...

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