第576章

男が一歩踏み出し、下卑た笑みを貼りつける。

「俺たちはお前を気持ちよくしてやる奴らだ」

一斉にどっと笑い声が上がり、そのまま数人が小林絵里へにじり寄ってきた。

小林絵里は胃の奥がせり上がるような吐き気を覚えた。顔色がみるみる白くなる。それでも必死に呼吸を整え、声を絞り出す。

「誰の差し金なんですか? いくらもらったんです? 倍出します。だから……わたしを見逃して!」

男たちはぴたりと動きを止め、互いの顔を見合わせた。ひとりが探るように言う。

「本当に、そんな金あんのか?」

いける——!

小林絵里は勢いよくうなずいた。

「あります! 金額を言ってください、必ず払います! 今す...

ログインして続きを読む