第577章

夏目思乃は扉口に立ち尽くし、顔面から血の気が引いていた。

「……正気なの? それ、犯罪よ!」

男たちは夏目思乃の姿を認めると、露骨に不快そうに眉をひそめた。そのうちの一人がずかずかと歩み寄り、彼女の腕をつかもうとする。

「ちょうどいい。おまえも一緒に遊べよ」

「きゃっ!」

夏目思乃の悲鳴が廊下に響き、ざわりと周囲の気配が動いた。

ちょうどそのとき、庄司玉輝が部屋から出てきて、声のするほうへ首を傾げる。

「どうした?」

夏目思乃は庄司玉輝を見つけるなり駆け寄り、その手を両手で強く握りしめた。

「早く……小林絵里が中に……! あの子……っ」

――なんだって。

庄司玉輝の顔色...

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