第579章

「あの女を殺して……生き地獄を味わわせてやりたい!」

 小林絵里は坂田和也の腕にしがみついた。涙でぐしゃぐしゃの瞳から、どす黒い憎しみが噴き出す。

「いい」

 坂田和也はほとんど考える間もなく言い切り、すぐに夏目思乃へ視線を向けた。

「呼んで来い」

 夏目思乃は一瞬きょとんとし、すぐに我に返る。

「……あ、はい」

 けれど扉の前まで行ったところで、はっとして振り返った。

「でも……この小林絵里さんの姿を見たら……」

 坂田和也もそこに気づき、腕の中の小林絵里を見下ろす。

「先に外へ連れ出させる。モニターで見てろ。いいか?」

 さっきまで吐き出すように叫んでいた反動か、小...

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